- 出演者
- 栗原望 油井秀樹 酒井美帆
野党・労働党が圧倒的な勝利をおさめたイギリス総選挙。14ぶりの政権交代が決まった。1回目の投票で極右政党が躍進したフランス議会の下院選挙、その勢いに対抗しようと与党連合と左派連合が候補者の一本化を進めている。そしてイランでは大統領選挙の決選投票が始まっている。世界が注目する3つの選挙の行方と影響について詳しく紹介する。
オープニング映像。
イギリスの総選挙では、最大野党・労働党が議会下院の650議席のうち400議席を超える大勝を収め、14年ぶりの政権交代となった。労働党のスターマー党首はバッキンガム宮殿でチャールズ国王に任命され新首相に就任した。スターマー氏は任命後の演説で「国のために尽くす政治を行う」と強調した。一方、スナク前首相率いる保守党は121議席と(解散時345)大敗。保守党ではトラス元首相の他、シャップス国防相やチョーク法相など主要な閣僚も相次ぎ落選し、議席数を200以上減らした。
労働党がまず取り組む課題には「経済対策」と「公共サービスの改善」がある。国民は生活が上向いたという自覚はなく、また公的医療サービスでは数百万人が今も治療を待っている危機的状況にある。一方、労働党はこれまで保守党からの批判や市場の混乱を避けるため、大規模な増税は公約に盛り込んでいない。課題解決のための財源が不透明なため、増税は避けられないのではとの指摘も出ている。労働党が状況を好転させることができなければ、支持離れは避けられず、政権交代早々厳しい政権運営を迫られることが予想される。
- キーワード
- ロンドン(イギリス)保守統一党労働党
労働党の外交政策について。EU再加盟は目指さす、ウクライナ支援や対ロシア制裁は継続。パレスチナの国家承認は承認を模索するとのこと。さらに日本については、日本とイタリアとの次期戦闘機開発をする継続としている。一方保守党と大きく異なるのが移民政策で、保守党が掲げたルワンダへ移民移送する計画については破棄するとしている。松崎氏は「EUとの貿易関係の見直し」に注目するとした。EU離脱によって煩雑化した貿易手続きを簡素化する方針を示しており、貿易関係がどこまで改善されるかが注目だという。一方、インド・太平洋地域との関係は継続路線とみられている。
イランの大統領選挙。先月1回目の投票では過半数の票を得た候補者がおらず、上位2人による決選投票が行われている。1回目の投票で1位になったのは改革派のペゼシュキアン氏。決選投票を前に、1回目の投票に参加しなかった有権者への呼びかけを強めている。その多くが現政権・保守強硬派に不満を持っているとされている。さらに1回目の投票で3位だった保守強硬派・ガリバフ氏の支持者がペゼシュキアン氏の支持に回っているという。一方、1回目の投票で2位のジャリリ氏は保守強硬派の支持層をまとめ切ることができるのか注目される。
イランの大統領選挙は接戦となっており、イランの内務省の発表によると、1回目の投票時よりも現時点では投票率が高くなっているとしている。投票率が上昇することで、改革派のペゼシュキアン氏の得票が増えると見られている。有権者の中には1回目の投票には行かなかったが、ジャリリ氏の当選だけは阻止したいと危機感から今回は投票したという人も。一方、ジャリリ氏側も本来の保守強硬派の支持層を固めきれてはいないものの、最終盤では圧倒的な動員力を見せた。またイランの最高指導者であるハメネイ師は選挙期間中に「欧米に頼る政治家に国家運営はできない」と発言しており、ペゼシュキアン氏を指示しない考えを示唆した。仮にペゼシュキアン氏が当選した場合、その後の政権運営は前途多難と見られ、欧米との関係改善を実現できるかどうかはハメネイ師が新政権の外交政策をどこまで許容するかにもよるとされている。また、議会は保守強硬派が掌握しているため「ねじれ」の状態に陥る。大勢は明日にも判明する見通し。
フランスでは議会下院の選挙の決選投票が7日に行われる。先月30日に行われた1回目の投票では極右政党「国民連合」とそれに連携する勢力が合わせて33.2%と最も多くの票を集めた。それに対し、選挙に合わせて急遽結成された「左派連合」が28%、マクロン大統領率いる与党連合は20.8%となっている。この結果、決選投票ではこの3つの勢力が争う三つ巴の構図になるとみられているが、極右台頭への強い危機感から左派連合と与党連合の間で候補者を1本化する調整が200を超える選挙区で行われた。しかし、2者はこれまでも政策面で折り合わず、互いの政策を批判してきた経緯がある。
サルト県では左派連合のルブシェ候補、与党連合のカズナブペレ候補がマリーヌ・ルペン氏の姉であるマリー・カロリーヌ・ル・ペン候補と争っていたが、ルペン候補に議席を渡すわけにはいかないと撤退を表明した。当事者の話し合いで決まった1本化であった。しかしこの協力関係には懸念があり、それが左派連合の一角をなし、急進的な政党とみなされている「不服従のフランス」の存在。党の顔となっているメランション氏は以前、フランスが将来的にNATOから脱退すべきと訴えるなどマクロン大統領と対立してきた経緯がある。今回の選挙でも、与党連合側からは左派連合とは協力しても「不服従のフランス」とだけは組めない」という発言も公然と出ていた。フランス政治に詳しいパリ大学のバンジャマン・モレル氏は今回の選挙協力は国民連合の絶対多数に反対することだけが両陣営の唯一の共通点であり、それ以外に両者の間に共通項がないため、一筋縄ではいかないと指摘した。
与党連合や左派連合の候補者が勝つ見込みがある選挙区の多くで1本化が進んだが、辞退した支持者の票がそのまま得票に繋がるとは限らず、中には投票には行かないとする有権者もいる模様。選挙活動は今日までであり、残された時間でどれだけ辞退した候補者の票をどこまで取り込めるかが焦点となる。候補者の一本化によって国民連合やその連携勢力の獲得議席数は最も多くなる可能性は高いが単独過半数からは遠のいたとの世論調査がでている。また、マクロン大統領は3日、「不服従のフランス」とは連立を組むつもりはないと発言したと地元メディアは伝えている。これにより議会に多数派が不在となるという懸念があり、首相の選出や予算の採決などに時間がかかり、議会が機能不全に陥るおそれが指摘されている。パリ大学のバンジャマン・モレル准教授は「政治が行き詰まり、不安定な状況になる」と指摘した。民間から閣僚を選ぶ実務家内閣が作られるとの指摘もあり、フランス政治の不透明感が増している。こうした不透明感がフランスが指導的な役割を担ってきたウクライナ支援にも影響があると見られている。
米国・ニューヨークで独立記念日の4日に行われた恒例のホットドッグ早食い大会。女性の部で米国在住の須藤美貴さんが新記録。10回目の優勝となった。男性の部ではベルトレティさんが優勝した。
インドネシア・スラウェシ島の山の中の洞窟で「壁画」が発見された。デジタル技術で解析すると、赤色の顔料で描かれたブタの姿があった。その周りには3人の人のような形も確認された。研究者は、少なくとも5万1千年前に描かれたもので世界最古の具体的なものを描いた壁画だとみている。
米国・ウィスコンシン州の湖で今年も10代の若者が夏のアルバイトの試験に挑戦。船を使った伝統の郵便配達で、選ばれる人は4人とのこと。
- キーワード
- ウィスコンシン州(アメリカ)
今月からEUの議長国を務めるハンガリーのオルバン首相。ロシアよりとも言われるオルバン首相の動きが波紋を広げている。EU・ミシェル大統領がオルバン首相にロシアと関わらないよう警告する中、5日ロシアに到着しプーチン大統領と会談した。ミシェル大統領はオルバン首相のロシア訪問をけん制していた。フィナンシャル・タイムズは「EUがオルバン首相のプーチン大統領訪問に激怒する理由」と題し、波紋の広がりを報じた。オルバン首相は今月2日にウクライナを訪問したばかりで、ゼレンスキー大統領に対しロシアとの一時的な停戦と和平交渉の開始を検討するよう促した。フィナンシャル・タイムズは「EU議長国である間、オルバン氏は自分自身のためか、EUのためか疑問がつきまとう」とのEU外交筋の指摘も伝えている。
“EUの異端児”とも言われるハンガリー・オルバン首相がウクライナに続きロシアを訪問した。一連の訪問を自ら“平和ミッション”と呼び、ウクライナとロシアとの和平交渉に向け積極的な姿勢をアピール。しかしゼレンスキー大統領や欧米は警戒を強めている。ロシアは和平交渉の条件として、ロシアが併合を宣言した4州からのウクライナ軍撤退などを条件に挙げており、オルバン首相がこれに配慮してウクライナに領土奪還を断念するよう迫るのではないかとみられている。また米国のワシントン・ポストは「トランプ氏はクリミアとドンバスの国境地域をロシアに割譲するようウクライナに圧力をかけることで戦争を終わらせる計画だ」と報じている他、ポリティコも「トランプ氏がウクライナのNATO非加盟を約束した上で、ロシアがウクライナの領土をどの程度保持するかプーチン大統領と交渉することを検討している」と報じた。オルバン首相はトランプ氏の当選を望んでおり、トランプ氏と協力して欧米の対ウクライナ政策を軍事支援から和平交渉へかじを切りたい狙いがあるとみられている。これに対し、EUのファンデアライエン委員長は「融和政策ではプーチン大統領を止められない」と話し、NATO加盟国は来週の首脳会議でウクライナのさらなる軍事支援に合意する見通しだという。
ウクライナ侵攻を受け世界中で輸送コストが上昇、様々な食料品の高騰が続いているがオリーブオイルも今値上がりしている。追い打ちをかけているのがオリーブの実の不作でヨーロッパではおととし記録的な干ばつに見舞われ、去年の雨不足などの影響が今も続いている。スペイン最大の生産地アンダルシア州では、価格は上がっても使う量を控えつつオリーブオイルを使い続ける人が多数いる。スペインでは2021年から3年連続で過去30年平均の約8割の雨量しかなく、オリーブの収穫量が激減している。オリーブオイルの生産・販売を手がける協同組合は、水を効率よく使用することを目指して政府に訴えかけているというが、政府は「すぐに有効な手だてを講じることは困難」だとしている。専門家は今年のオリーブ収穫量は去年より少し上向くとしたが、厳しい状況は続くと予測している。
米国のバイデン大統領は先月のテレビ討論会について「失敗した」と述べる一方で、選挙戦を継続する姿勢を強調した。先月のテレビ討論会で言葉に詰まる場面が目立つなど安定さを欠いたバイデン大統領、民主党下院議員から撤退を求める声が出るなど波紋が広がっている。週末にかけてテレビ局のインタビューや激戦州でび演説が予定されており討論会で広がった不安を払拭できるか注目。
ロシアによるウクライナ侵攻が長期化する中、ロシアの安全保障会議のメドベージェフ副議長は今年新たに19万人が新たに契約軍人として加わったことを明らかにした。
円相場に影響を及ぼす米国の先月の雇用統計が発表され、農業以外の就業者は前の月より20万6千人増加し市場予想をわずかに上回った。一方失業率は前の月から0.1ポイント上昇。FRBがインフレの要因となってきた労働市場のひっ迫についてどのように判断するのか注目。
海外の株の値動き、為替と原油の値動きを伝えた。