この地には未来を見すえた独特の出稼ぎ文化があった。他の地方と違ってザゴリはとても裕福で、大きな家ばかりだった。もともと貧しい土地だったザゴリで人々は放牧や畑仕事をして細々と暮らしていた。約550年前まで周辺に住むスラブ人などから襲撃されることがあった。15世紀後半、ザゴリがオスマン帝国の支配下に入ったことで外敵の脅威が大きく減った。それを機に男たちは帝国の内外へ出稼ぎに行くようになった。15~20世紀初めごろまで行った先で商売などに成功し、故郷に富をもたらした。この地には「稼いだ富はまず村のために使う」という独特の考え方があった。ザゴリでは多くの学校が個人の寄付で建てられたという。学校づくりは将来を見すえた投資だった。
