ミラノ・コルティナ五輪で、スケルトンのウクライナ男子代表であるヘラスケビッチ選手が失格となった。その後スポーツ仲裁裁判所に提訴したが、それも棄却となった。失格となった理由は、ロシア侵攻で犠牲となった選手の姿を描いたヘルメットを競技で着用しようとしたから。ヘラスケビッチ選手は「人々に『自由の代償』を理解してもらいたい。大切なのは彼らの記憶を守り、その犠牲を忘れないようにすること」などと語っていた。これに対しIOCは「紛争で命を失った友人を追悼したいという思いは十分理解している」としたうえで、選手が取材を受けるミックスゾーンやSNSでヘルメットを見せる、競技中の黒い腕章などは認めると提案した。しかしヘラスケビッチ選手は妥協せず、失格となった。環太平洋大学の真田教授は「政治的アピールに近いものになっている。競技の公平性を担保するルールに照らせば、今回の失格判断は妥当」などと指摘している。橋下徹は「妥当だと思うが、もう少し選手の主張の場を広めていくべき」などと語った。五輪では過去にも物議を醸した事例があり、1968年のメキシコシティ五輪では選手が表彰台の上で黒人差別に抗議する行動を取った。IOCは五輪の精神に反する意図的な政治宣伝と断じ、選手は代表チームを除名され選手村から追放された。一方で人種差別への抗議が容認されたケースも有り、2021年東京五輪で行われたサッカー女子予選リーグ「日本vsイギリス」では、試合前に選手たちが片方の膝をついて抗議の意志を示した。
