ミャンマー・ラカイン州では仏教徒とロヒンギャと呼ばれるイスラム教徒の少数民族が対立している。ロヒンギャはバングラデシュを故郷とする人々のことで、数百年をかけラカイン州に住むようになった。だが、言語も文化が違うロヒンギャは差別的な扱いを受け就職、医療、教育、移動の自由などが厳しく制限されている。2016年、ミャンマー国軍とロヒンギャの武装勢力が衝突。ミャンマー国軍は数万人のロヒンギャを虐殺した。多くのロヒンギャは国外に逃げたが残ったものは厳しい制限の中で今も暮らしている。そんな中、危険を顧みずロヒンギャを助けようとする助産師がいた。仏教徒のフラは宗教の境目を超えロヒンギャの妊婦を受けて入れている。しかもロヒンギャの娘を助手として雇っている。フラは自分の助産院でロヒンギャの妊婦をこっそり診察している。そんなフラの助手がロヒンギャのニョニョだった。フラはロヒンギャの言葉が分からないので、ニョニョが通択している。フラはニョニョに助産師としての技術を叩き込もうとしている。技術があれば、いざというときニョニョがロヒンギャを救うためだった。ある日、ロヒンギャは出ていけというデモが起こった。