半導体受託生産で世界最大手台湾TSMCによるヨーロッパ発の工場の起工式が20日、ドイツのドレスデンで行われる。ロンドンから中継。ドイツの新工場で生産されるのは車向けの半導体などで、スマートフォンに使われるような先端半導体ではない。TSMCはこれまで台湾の中で大量の半導体の製造を請け負ってきたが、ドイツで生産することで、製品を部品メーカーなどに効率的に納入できる。生産開始は2027年末を目指すとしている。新型コロナの感染拡大では、サプライチェーンが混乱し、半導体不足に陥った。半導体生産が集中している台湾の地政学的リスクも念頭にあるとみられる。EUは半導体生産の海外への依存を減らそうと、世界シェアを2030年に20%とする目標を掲げている。今回TSMCの投資額は100億ユーロ(1兆6000億円余)。欧米メディアによると、ドイツ政府が補助金で支援する見込みで、ショルツ首相も起工式でスピーチを行う予定。