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「三井物産 奉天支店」 のテレビ露出情報

旧満州の都市・奉天で戦前の総合商社・三井物産の社員が記した日記が、三井文庫に所蔵されている。終戦直前から1946年2月まで約14万字にのぼる。三井文庫が所蔵する資料を整理する中で見つかり公開。日記を書いたのは、奉天支店の社員・香川卓一さん。食料の調達などを担当していた。日記には、戦後の混乱の中で現場の社員たちが直面した状況が克明に記されている。大きな特徴は、経済状況の記述が多いこと。物資の流通もままならない中、物価高が生活を苦しめていく様子が描かれている。専門家は、日記から商社マンならではの視点が見て取れると指摘。日記は、ソ連侵攻の2日前8月7日から始まる。9月13日、生活拠点であった会社のビルも接収。本社の支援が得られない中、支店の資金繰りや社員の待遇が悪化していく様子が描かれている。さらに日記には、敗戦を振り返り、食糧問題のため到底持久戦には耐えられなかったと商社マンとしての分析が記されている。そして、原子爆弾の投下によってのみ敗戦したのではなく経済の面ですでに決着がついていたみている。さらに専門家は、引き上げについての資料の多くは戦後振り返って語られたものなのに対し、日記はリアルタイムで書かれた点に特徴があるという。着目したのは、日本人が生活苦から子どもを売りに出していると中国人から聞いたという記述。これはあまり記録として普通は残らないため、その点でも貴重だという。香川卓一さんは、昭和22年に日本に帰国。11年後に亡くなった。終戦時、長男の智之さんは父とは離れ日本で暮らしていたという。これまで日記の存在は知らなかったという。日記に限らず勤務先の話は、戦後帰ってきてからも一切しなかったという。智之さんは娘と共に三井文庫を訪れ、父の日記を初めて目にした。日記の最初には、書いた目的について「後日のために書き続ける」と記されている。書き起こした内容はネットでも公開され、誰でも見ることができる。

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