絶海の孤島、西之島。周囲100km以上陸地はない。こんな場所でもウスバキトンボが見つかる。ウスバキトンボは世界中に分布し地球を旅している。日本にも毎年、南から海を超えてたどり着き列島を北上すると言われている。どうやって世界中を旅するのか追跡することに。全国各地の捜査員がトンボを大量に捕獲。羽根にマークを付けて追跡。3年前から始まり、これまで再捕獲されたトンボは500匹以上。40km移送したトンボも捕まっている。6月、長崎で毎日トンボ調査を行ってる伊藤さん。たくさんのトンボを捕まえたが長距離を移動したトンボを捕まえることができなかった。全国各地でも50km以上の長距離を移動したトンボが1匹も捕まらなかった。さらに調査から寿命が長くても1か月半と推定された。ウスバキトンボは産卵能力がNo.1で、孵化までのスピードも5日と早い。1ヶ月ほどで成虫になる。日本にたどり着いたウスバキトンボは繁殖に適した場所を見つけると一気に数を増やす。親の寿命が尽きても次の世代がまた北上。こうして世代をつなぎ旅を続けている可能性がある。愛知県立岡崎高等学校の中庭に水を張った容器を設置。ここにウスバキトンボが産卵にくるかを調べた。実験開始直後、ウスバキトンボがすぐにやって来て産卵を始めた。駐車場にできた水たまりでもウスバキトンボは産卵をした。数日後、水槽の中をみるとヤゴを発見した。ウスバキトンボは卵を大量に産むので同じ場所に仲間が沢山いる。共食いすることで、食べ物がない極限の環境でも一部が生き延び、結果的に繁栄することが出来る。たくさん増えても寒さに弱いため、冬にはほぼ全滅してしまう。