南三陸町を拠点に語り部活動をする阿部寛行さんは新たな伝承の形を模索している。参加者に自らの命を守るすべを学んでほしいと、災害時に使える知恵や術を教えている。今回参加した大学生たちがまず取り組んだのはマッチを使った火の確保。その火で食事を作る体験をした。プログラムは2泊3日で体験や宿泊費込みで、約2万5000円。プログラムでは他の被災地もめぐり、複数の語り手から話を聞く。この日訪れたのは、石巻市で当時6歳だった娘を亡くした佐藤美香さん。阿部さんはプログラムの参加者の一部を謝礼として佐藤さんたちの団体に支払っている。阿部さんは主に3つの団体と連携していて、今後は福島県や岩手県にも活動を広げていきたいと考えている。専門家によると語り部活動の継続は連携がカギだという。