トランプ次期大統領の誕生はアジアの安全保障にはどのような影響を与えるのか、注視しているのが中国から軍事的圧力を受けている台湾。トランプ氏は国務長官に対中強硬派の起用を発表、一方台湾有事にトランプ次期政権は関与するのか、疑問視する声も出ている。頼清徳政権発足を受け今年9月に着任した台北駐日経済文化代表処の李逸洋代表は台湾海峡の平和維持には世界の民主主義国家の努力が必要と話す。中国軍は頼清徳総統就任以降2度にわたり台湾を取り囲むように軍事演習を実施、今週は最新鋭のステルス戦闘機を初公開しアメリカなどを牽制する動きを見せている。李代表は半導体メーカー「TSMC」が熊本に進出したことについても触れ、経済安全保障における日本などとの協力の重要性を「もし中国が台湾を封鎖すれば世界が大きな損失を受ける。(日米などと)民主主義の保護の傘を友に広げ地域の平和と世界の繁栄をともに守りたい」とあえて日本語で強調した。アメリカ第1主義を掲げるトランプ氏は選挙期間中に台湾の半導体産業の躍進でアメリカが不利益を被っていると考えを示し台湾がアメリカに防衛のための費用を払うべきなどと主張した。台湾有事の際米国の介入について李代表は「トランプ氏は前の大統領在任中台湾の防衛力強化を支援してくれた。両者のパートナーシップは今後も変わることなくさらに深まっていくでしょう」と述べた。台湾はトランプ次期大統領のもとでも引き続き米国を後ろ盾として中国の圧力に対抗していくため、経済・安全保障の両面で連携強化を働きかけるものとみられる。