ウクライナでの戦況が厳しさを増す中でアメリカのブリンケン国務長官がウクライナを訪問する一方で、ロシア・プーチン大統領は明日から中国を訪れる予定。一部では新冷戦だとの見方もある。第2次世界大戦後に始まったアメリカと当時のソビエトの米ソ冷戦でアメリカを盟主とする資本主義陣営の西側と、ソビエトを盟主とする社会主義陣営の東側が対立した。対立は資本主義と社会主義の優劣を巡る世界観の対立でもあり、西側は「自由」を東側は「平等」を強調した。双方が直接、武力衝突しなかったために冷たい戦争と呼ばれた。しかし、アジアやアフリカでは壮絶な代理戦争が起きた。例えば、アンゴラではソビエトは政府軍をアメリカは反政府勢力をそれぞれ軍事支援し激しい内戦で100万人近い人が死亡したといわれている。最終的に米ソ冷戦はベルリンの壁が崩壊した1989年に終結が宣言された。欧米や日本などは、ウクライナを支援する立場を鮮明にしていてアメリカなどは軍事支援を続けている。これに対して、ロシアは中国や北朝鮮との連携を強めている。プーチン大統領としては中国との結束を強化し欧米側に対抗する姿勢を改めて示すねらいとみられる。しかし、習近平主席は先週、ヨーロッパを訪問したばかりだが、重要な貿易相手であるヨーロッパとの良好な関係を維持したい。ウクライナ侵攻を巡ってロシアとの関係を強化することはヨーロッパでのイメージの悪化と反発しか招きない。ニューヨーク・タイムズは「習主席はロシアと欧米との間で綱渡りするような状況にある」と表現。別府さんは「プーチン大統領の期待に習主席がどれだけ答えるのかが、最大注目ポイントとなりそうです」などと話した。