大和総研・矢作大祐が解説する。テーマ:どうなる?米国経済カギを握る「消費のダウングレード」。2025年上半期は関税政策などトランプ大統領の経済政策に振り回された。矢作は「トランプさんになってから朝令暮改が当たり前ですぐガラッと変わるというのがあったが、アメリカ経済も180度変わったなと思う。2024年はソフトランディングがメインシナリオだったが、2025年はハードランディングリスクが高まったと思う」、「1-3月期の実質GDP成長率はグッと下がっている。主因は駆け込み輸入の増加。民間最終需要は意外とそんなに悪くなかったため、米国の人々にとっては実感のない景気悪化」、今年の下半期について「景気の減速の本格化を想定している。なかでも注目すべきは米国経済の屋台骨となる個人消費。消費のダウングレードが起きるんじゃないかと思っている」などと述べた。消費のダウングレードとは経済状況の悪化や将来の不安から消費者の節約志向が強まること。中国でも近年、「消費降級」がトレンド。ダウングレードの実例は、1ドルショップが好調、ハイブランドは低調。長距離旅行ではなく近場の自動車旅行を選ぶ傾向がある。S&P500のセクター別株価指数を見ると生活必需品セクターは底堅い。実質個人消費の要因分解では実質可処分所得は増えてきたが、消費性向は下がってきている。賃金上昇率を見ると、転職者は下がってきている。賃金アップのための転職が難しくなりつつあるという。ミシガン大学の消費者センチメントでは、6月に6か月ぶりに回復している。ミシガン大学は「消費者が経済の先行きについて依然として警戒感がある」としている。7月9日には中国以外に対する上乗せ税率の猶予期限が到来、8月は中国。関税政策の見通しについて矢作は「基本的にはマイルド化をしていくということがメインシナリオになっている」などと述べた。トランプ大統領の政策分野別支持率を見ると、景気とインフレに関してものすごく悪くなっている。共和党議員も一部離反が起きている。
