イタリア・プーリア州で開かれているG7サミットは2日目。初日は欧米諸国の関心が高いウクライナやイスラエルとハマスの戦闘がメーンテーマとなった。2日目の最大の注目は、インド太平洋のセッション。岸田総理はG7や世界の関心がウクライナと中東に集中し、中国への関心が薄れてしまうことに警戒感を持っているため、中国の脅威に対してG7が結束して対抗しようと訴える。「岸田総理は中国からの経済的威圧にどう対抗するか今回はかなり強いことばでけん制する」と、外務省関係者は話している。経済的威圧で日本が一番問題視しているのは、中国による日本産水産物の輸入禁止措置。中国はこうした経済面での攻撃を世界各地で仕掛けていて、欧米諸国は過剰生産問題を問題視している。中国が電気自動車や太陽光パネル、半導体などの分野で安い製品の輸出を急に拡大させていて、競争が不正にゆがめられていると欧米諸国は猛烈に反発している。米国やEUは個別に中国製の電気自動車に追加の関税を課しているが、G7が足並みをそろえて対抗措置を出せるかがポイント。中国はフランスやドイツと経済連携を強めようとしていて、G7の連携にくさびを打ち込んで分断を図りたいねらい。