今夜開幕する日本プロ野球。新天地でプロ19年目を迎えた日米通算197勝の巨人・田中将大(36歳)が、去年の0勝から再起を誓った歩み。その裏にある思いに迫った。今シーズン、巨人に移籍したプロ19年目の田中将大は昨シーズン、キャリア初の0勝に終わり再起を誓う中、練習では復活への道のりがあった。「少しずつ自分が知らない間に(フォームが)崩れていた。ここ数年、ダメな形で投球していた」と話す田中将大は、今年は197勝を積み上げた投球フォームを変更。投球フォーム変更のテーマは、投げる時のボールを離す位置(リリースポイント)を高くして角度のあるボールを投げること。一般的に高い位置から投げ下ろされた角度のあるボールは、バッターにとってスピード以上の威力を感じるという。キャンプでは投球練習場に1人だけ残り、わずか1m先のネットに向かってボールを投げるなど、独自の練習を行っていた。そんな田中将大を指導していたのは、“魔改造”の異名を持つ久保康生コーチ(66歳)で、球界屈指の投手を何人も育て上げてきた名コーチ。今年、メジャーリーグに移籍した菅野智之(35歳)もおととしは4勝だったが、久保コーチの指導でリリースポイントが10cm高くなり見事に復活し、去年は最多勝となる15勝を挙げた。菅野智之は「(リリースポイントが高くなったことで)甘いボールがファウルや凡打に打ち取れたり、今までにない感じがある」と話す。久保康生コーチ(66歳)の指導のもと、投げる時のボールを離す位置(リリースポイント)を高くして角度のあるボールを投げるフォームに変更した。久保コーチは「投げる高さが以前まで160cm台だったが、きょう測ったら180cm台。本人(田中将大)も『こんに変わったの?』」と話す。田中将大は「(久保コーチの存在は)本当にありがたい時間。(久保コーチの指導の)効果を感じている」と話す。田中将大はここまで、1軍のオープン戦の登板では順調な仕上がりを見せ、1軍の先発投手枠に入ることが決まっている。そしてきのう、開幕前の最後の調整として2軍の公式戦に先発登板した田中将大は、新しいフォームで5回を投げて被安打3・失点1の好投。試合後、田中将大は「しっかり投げられた。やるしかない。1球1球、目の前の1試合を全力でベストを尽くして頑張りたい」と話し、手応えを感じていた。試合結果は、巨人8−1オイシックス。2012年以来の日本一を目指す巨人で、田中将大はどんな輝きを見せるのか?田中将大は「目標は日本一。巨人が期待をかけて契約してくれた。結果で返したい」と話す。