福島第一原発事故の後、関西電力と九州電力などに原子力発電が12基が再稼働した。事故を起こした東京電力の原発は全て停止したままで来年で事故から13年が経つ。早期の再稼働を目指しているのが柏崎刈羽原子力発電所である。朝6時半、柏崎刈羽原子力発電所では現場のトップ稲垣所長が正門で東京電力や協力企業に声をかけていた。現場のコミュニケーションや適切な警備が行われているか署長自ら確認しているという。背景には相次ぐ不祥事である。多数の侵入検知機の故障や中央制御室への不正侵入などテロ対策上の重大な不備が相次いで発覚した。原子力規制委員会は東電に対して事実上の運転禁止命令を出した。東電は上層部が現場の実態を把握せず発電所内での意思疎通も不十分だったとし組織風土の抜本的な改革を求められた。異変に気づくと課題を共有しすぐに対策を検討する。東電と協力企業の意見交換会を月1回以上行っている。改善措置を継続的に確認する専門部署を新設し社員などの行動をチェックし問題の兆候を把握している。停止命令の解除を巡る判断を前に開かれた原子力規制委員会で社長は理解を求めた。原子力規制委員会は改善措置を評価する一方でさらなる推進を求めた。