ハラリさんがIT大手の経営者たちを「無邪気な考えだ」と皮肉っているように聞こえたのが印象的だった。ハラリさんもAIの利用を否定しているわけではない。ただ、テック企業のトップたちがトランプ大統領との距離を縮めて自分たちのやりたい放題でビジネスを展開しネット上のコンテンツが暴走をしてしまってそれを放置するようだとマイナスの影響が大きくなるかもしれない。ハラリさんはAIの特異性を歴史的な観点から斬り込んでいる。さまざまなテクノロジーというのは活版印刷も含めて人間の手の内にある道具、ツールだったというが、AIというのは人間が参加するこういうクラブのメンバーに歴史上初めてなろうとしていると指摘している。つまり同列だということ。メンバーであるAIが誤った判断をしたときにどうなってしまうのか。そして情報と権力が結び付いたときに一体どんなことが起きるのか、トランプ新時代の新たなリスクだというふうに感じる。