大河ドラマ『光る君へ』で時代考証を担当する倉本さんが考証をするなかで印象に残ったことなどについて紹介する。『光る君へ』は平安貴族が主人公となる初めての大河ドラマ。平安時代史、特に当時の政治状況や後宮の情勢、人々の生活などの理解が深まるのではと倉本さんは語り、紫式部の父・藤原為時がいきなり越前守に任じられる場面を例に出して紹介した。平安時代の歴史に対しては様々な誤解があり、それは『源氏物語』を始めとする文学作品に描かれた内容を平安貴族の実体だと誤解したために生じたもの。倉本さんは『光る君へ』は平安時代が日本の歴史の中では平和な時代であったことを提示する点で意義があると話した。『小右記』と『権記』と『御堂関白記』は同じ出来事が三者三様に書かれていて、つきあわせると総合的に物事が見え、時代考証では古記録から提案を行っているという。