2024年にかける人たちの取り組みを紹介するシリーズ。今日は影絵作家の藤城清治さんで、これまでメルヘンな独特なタッチで童話や空想の世界を表現し、数多くの作品を生み出してきた。幅6mの壁を光と影の対比で色鮮やかに埋め尽くす巨大な影絵。特徴的な小人が織りなす幻想的なメルヘンの世界。これらを制作したのは世界的な影絵作家の藤城清治さんである。今年4月に100歳を迎えるが、情熱が衰えることはない。長年愛用している剃刀を使って今なお新しい作品を作り続けている。藤城さんは「体力的に弱っているがその中で切ってることの深みが若いときにはないものが作品の中ににじみ出てきている」などと話した。藤城さんは11年前、自然豊かな那須町に作品を常設で展示する全国唯一の美術館をオープンした。影絵に加えてデッサンや絵画などの作品約200点が展示されている。一方、都内の倉庫には3,500点以上の貴重な作品が眠ったままになっている。これらを展示できる場所がないか長年の課題になっていた。藤城さんの娘である藤城亜季さんは「新しいものや古いもの・季節のものなどいろんなテーマがあるので見てほしい作品がそのまま止まっている」などと話した。そこで今年藤城さんが取り組もうとしてるのが新しい美術館の建設である。以前那須町に8ヘクタールの土地を購入していたが、新型コロナの影響で計画が止まっていた。新たにクラウドファンディングで寄せられた資金を使ってまずは門の建設から始めていきたいと構想を膨らませている。藤城さんは「人の思いやアイデアと僕の夢みたいなものを少しずつ積み上げて遊園地のような美術館を作りたい」などと話した。100歳で取り組む新しい目標へ、重要なのは健康と体力で藤城さんは今、自宅やスタジオ周辺で1日5000歩程歩くことを日課にしている。今でも次々とイメージが湧いてくるという藤城さんは節目の100歳を前に、夢は尽きることなく今年も新作を作り続けている。藤城さんは「100年という間を行きてきた人間の感情を自然に出した絵を描いていって、どこまでも自然体に楽しく行きている間にやっていきたい」などと話した。牛田アナは「どんどんアイデアが出てくるのは凄い」と話し、井上アナは「様々な感情を体験されている」などと話した。藤城さんはこれまでに東日本大震災の被災地にも訪れて、復興への願いを込めた作品を作ってきたということで、今回の能登半島地震にも心を痛めているという。新しい美術館は再来年までの完成を目指しているとのこと。