防災庁の設置に向けた政府の有識者会議では、災害の発生前に被害を最小化するための対策を講じておく事前防災が、論点の1つとなっている。耐震化などの制度面の充実に加え、国民の防災意識をいかに向上させるかも焦点となりそうだ。政府は再来年度、令和8年度中に防災庁を設置する方針で、先月30日に有識者会議の初会合を開いて本格的な検討を始めた。この中では災害の発生前に被害を最小化するための対策を講じておく事前防災が論点の1つとなっていて、能登半島地震で多くの建物が倒壊し、犠牲者が出たことを教訓に建物やインフラ設備の耐震化などについて意見が交わされる見通し。会議の取りまとめ役の名古屋大学・福和伸夫名誉教授は「地震対策の一丁目一番地である耐震化などを進めるためには すべての国民と産業界が本気になるしかない」と指摘している。会議では今年の夏をめどに施策の方向性をまとめることにしていて、耐震化などの制度面の充実に加え国民の防災意識をいかに向上させるかも焦点となりそうだ。