能登半島地震で液状化の被害が相次いだ高岡市では、日常を早く取り戻そうと住民が行政の支援を待たず多額の費用を自分で負担して復旧工事を進める動きも出てきている。液状化で建物の一部が沈下した高岡市木津の住宅では基礎の下に直径10センチの鋼鉄製のパイプを住宅を支える杭として打ち込むアンダーピニングと呼ばれる工法で復旧工事を進めている。高岡市では、特に液状化被害が多かった伏木地区や吉久地区などでは行政が国の補助を受けてインフラとともに近くの宅地も一緒に液状化対策工事を行う方針にしているが、この地区はその対象になっていない。このため現時点ではおよそ1000万円かかる工事費用の全額を自分で負担することを余儀なくされているという。この住宅の工事を担当する建設業者によると、こうしたアンダーピニングの工事は能登半島地震のあと、北陸3県や新潟県などから見積もり依頼などが200件以上寄せられていて、工事の予約はすでに1年以上先まで埋まっているという。