山開き後初めての週末を迎えた富士山。山頂を目指す人たちを取材すると、8合目にいた登山客のほとんどが山小屋に宿泊した人たちで、弾丸登山は見られない。登山道の安全を確保する巡回指導員・太田安彦さんとともに山頂を目指すと、暗闇の中、登山客たちのヘッドライトが数百メートル先まで連なっていた。しかし、頂上を目指す登山客を苦しめたのが、絶え間なく登山道を吹き付ける風速20mの強風。富士山登山巡回指導員・太田安彦の無線に緊急事態を知らせる一報が届いた。山頂にいた登山客が低体温症を発症したという。すぐさま山頂の現場に急行。そこにいたのは、20代男性。午前2時半ごろ山頂に到着。肌着が汗でぬれていたことや強風などの影響で急激に体温が下がり、低体温症を発症。そこに駆け付けたのは、医師と看護師。強風が吹きつける中での救助活動は困難を極めた。