河野太郎デジタル大臣は先月18日「犯罪対策閣僚会議の総合対策に、国民を詐欺から守るため、マイナンバーカードのICチップを活用して、本人確認を行うことが盛り込まれた」と述べた。政府は先月18日、携帯電話の契約時に、マイナンバーカードなどのICチップの読み取りを義務付けることを閣議決定した。今後の携帯電話の契約では、窓口契約の場合、マイナンバーカードなどの「ICチップ情報」の読み取りを義務付ける。オンライン契約では、本人確認はマイナンバーカードの「ICチップ情報」に原則一本化。実施時期は未定。背景にあるのは詐欺の横行。従来の本人確認の場合、一部店舗では本人確認書類を目視で確認。そのため偽造マイナンバーカードなどで携帯電話を契約し、詐欺に利用されるケースが発生した。去年特殊詐欺で使われた携帯電話の約7割にあたる419回線が、偽造された本人確認書類を使い契約されていた。河野デジタル大臣は「本人確認は本人確認書類を目視で確認するのではなく、マイナンバーカードまたは運転免許証のICチップの読み取りが一番確実な方法だ」と説明。マイナンバーカードのICチップには様々な不正対策がされていて、パスワードは一定回数間違えるとロックがかかる。不正に情報を読み出そうとすると、ICチップが自壊する。デジタル庁はスマートフォンとマイナンバーカードを使い、本人確認をする「デジタル認証アプリ」を先月24日から提供している。デジタル認証アプリとは、マイナシステムでの本人確認を企業のオンラインサービスでも使いやすくし、コスト削減やマイナカード利用拡大を図るもの。先月27日には障害が発生。一部では再度登録が必要なユーザーもいるという。