マイナンバーカードと健康保険証が一体化したマイナ保険証の利用を促進するため、政府はきょうから保険証の新規発行を停止する。これまでの健康保険証は最長で1年間は使い続けることができるということで、政府は広報や周知を強化することにしている。薬局では、マイナ保険証を利用することで患者が誤って古い保険証を出すことなどで生じていた事務作業の負担が減ったほか、お薬手帳がなくても患者の同意があれば過去に処方した薬などを確認できるため、より正確に判断できるようになった。しかしマイナ保険証を巡っては、ことし10月の時点でマイナンバーカードを保有している人の82%が利用登録を済ませている一方、利用率は15%余りにとどまっている。この利用を促進するため、政府はきょうから健康保険証の新規発行を停止し「マイナ保険証」を基本とする仕組みに移行する。ただ、医療機関ではマイナ保険証だけでなく、これまでの健康保険証を使い続けることもできる。方法は主に3つ、まずマイナ保険証。健康保険証の利用登録をしたマイナンバーカードのことで、医療機関の窓口やオンライン上のマイナポータルなどで利用登録ができる。2つ目はこれまでの健康保険証。最長で来年の12月1日まで使用できる。ただし、国民健康保険や後期高齢者医療制度の保険証は有効期限が来年夏ごろなどに設定されている。3つ目は資格確認書というカード。これは、健康保険証がなくマイナ保険証の利用登録もしていない人などに申請なしで交付されるもので、マイナ保険証の代わりとなる。一方、資格確認書とは別に資格情報のお知らせという書類もある。マイナ保険証がシステムの不具合で使用できなかった場合などに窓口でマイナ保険証と一緒に提示するもの。各健康保険組合などから届けられている。