大阪市の北野病院と京都大学発のベンチャー企業などは昨日、歯が生える薬をヒトに投与する臨床試験を世界で初めて開始すると発表した。ほとんどの人は永久歯の下に第3の歯のもととなる芽を持っているとされている。研究グループは、あるたんぱく質がこの第3の歯の成長を阻害していることを発見。このたんぱく質の働きを抑える薬によって新たに歯を生やすことができるという。薬の対象は遺伝的要因で歯が少ない先天性無歯症の人たち。この病気で、通常よりも歯が6本以上少ない人は日本の人口の0.1%ほどとされている。子ども向けに開発された薬だが、今回の臨床試験は安全性の確認のため成人男性で実施する。そのうえで、2030年ごろの実用化を目指すという。虫歯などで歯を失った人への応用も検討しているとのこと。