富山県とゆかりの深い北方領土の問題に理解を深めてもらおうと、北海道に派遣される中学生の結団式が富山市で開かれ、生徒が「自分たちにできる運動を見つけたい」と抱負を述べた。富山市の県民会館で行われた派遣団の結団式には中学生9人が参加した。富山と北海道は江戸時代から昆布の取り引きが盛んで、明治以降は昆布漁のため富山から出稼ぎに行く人が増えたが、第二次世界大戦で当時のソ連が北方領土を占領したため、現地から引き揚げた人は富山県が1400人余りと北海道に次いで2番目に多くなった。こうしたことから富山では、北方領土の返還運動が盛んで自治体などで作る北方領土復帰促進協議会は、昭和45年から中学生を北海道に派遣している。生徒たちは来月2日から4日間の日程で北海道を訪れ、根室市で開かれる市民大会に参加するほか、現地の中学生と意見を交わすことにしている。