大きな病気やけがをしたときに頼りになる、高額療養費制度を巡って、今大きな議論となっている。この制度は医療費が高額になった際、自己負担が抑えられるもの。身近なものではがん、糖尿病、不妊治療など保険適用の治療であれば使うことができる。例えば、年収500万円の人でひとつきの医療費が100万円かかったとする。窓口での負担は3割だが、この制度を使えば、最終的な自己負担は8万円台で済む。いくらまで自己負担する必要があるかは、年収などに応じて決まるが、国はことしの8月から引き上げる方針を示している。こうした方針に対して、12日がん患者らで作る団体などが、引き上げに反対する署名を国に手渡した。
厚生労働省で、高額療養費制度の上限額の引き上げ方針を巡り、見直しを求めているがん患者らで作る団体などの代表者と、福岡厚生労働相が面会。団体側は「治療の継続を断念しなければならなくなる」などとして、引き上げに反対する13万5000人余の署名を大臣に手渡した。福岡厚生労働相は「長期間、治療を続ける患者の経済的負担に配慮した修正案を検討している」ことを伝え、理解を求めた。高額療養費制度の見直しの背景には、高齢化に加え、先進的な治療や高額な薬の利用によって支給額が増え、医療保険の財政が悪化していることがある。支え手となる現役世代を中心に、保険料の負担は増え続けていて、厚生労働省は、制度を維持しながら、保険料の負担を軽減していく必要があるとして、去年11月から見直しの議論を本格化させた。その翌月、去年12月には、ひとつき当たりの高額療養費の自己負担の上限額を、ことし8月から段階的に引き上げる方針が決まった。年収370万円〜770万円では、今より8000円余引き上げ、2万円余や4万円近く引き上げられる人たちもいる。一連の見直しで、医療保険の加入者全体の負担は、年間で約3700億円の削減が見込まれている。福岡大臣との面会後、がん患者らで作る全国がん患者団体連合会・天野慎介理事長は「検討プロセスがあまりにも稚拙。ごく短期間で決められている。いったん凍結することが望ましい」と述べた。
高額療養費の上限額見直しの議論。制度の利用者からは不安の声も。7年前、肺がんが見つかり、リンパ節にも転移していて、ステージ4だと診断され、抗がん剤の治療を続けている女性は「薬価がすごく高いことに本当に驚いた。ずっと続くと生活の見通しが立たず震える」と語った。夫の扶養に入って、医療費の自己負担額は、高額療養費制度を利用して最大で月に8万円ほど。これが制度が見直されると、最終的に最大月11万円ほどに増える見込み。高校生と中学生の息子がいる女性は、受験を控える2人の教育にかかる支出が増えていて、不安を募らせている。子育て中のがん患者や医師などで作る団体が、がん患者を対象に行ったアンケート調査では、上限額が引き上げられた場合の治療への影響について尋ねたところ「回数を減らす」が約6割となったほか、育児への影響についても塾や習い事を減らすが約6割などとなっている。
厚生労働省で、高額療養費制度の上限額の引き上げ方針を巡り、見直しを求めているがん患者らで作る団体などの代表者と、福岡厚生労働相が面会。団体側は「治療の継続を断念しなければならなくなる」などとして、引き上げに反対する13万5000人余の署名を大臣に手渡した。福岡厚生労働相は「長期間、治療を続ける患者の経済的負担に配慮した修正案を検討している」ことを伝え、理解を求めた。高額療養費制度の見直しの背景には、高齢化に加え、先進的な治療や高額な薬の利用によって支給額が増え、医療保険の財政が悪化していることがある。支え手となる現役世代を中心に、保険料の負担は増え続けていて、厚生労働省は、制度を維持しながら、保険料の負担を軽減していく必要があるとして、去年11月から見直しの議論を本格化させた。その翌月、去年12月には、ひとつき当たりの高額療養費の自己負担の上限額を、ことし8月から段階的に引き上げる方針が決まった。年収370万円〜770万円では、今より8000円余引き上げ、2万円余や4万円近く引き上げられる人たちもいる。一連の見直しで、医療保険の加入者全体の負担は、年間で約3700億円の削減が見込まれている。福岡大臣との面会後、がん患者らで作る全国がん患者団体連合会・天野慎介理事長は「検討プロセスがあまりにも稚拙。ごく短期間で決められている。いったん凍結することが望ましい」と述べた。
高額療養費の上限額見直しの議論。制度の利用者からは不安の声も。7年前、肺がんが見つかり、リンパ節にも転移していて、ステージ4だと診断され、抗がん剤の治療を続けている女性は「薬価がすごく高いことに本当に驚いた。ずっと続くと生活の見通しが立たず震える」と語った。夫の扶養に入って、医療費の自己負担額は、高額療養費制度を利用して最大で月に8万円ほど。これが制度が見直されると、最終的に最大月11万円ほどに増える見込み。高校生と中学生の息子がいる女性は、受験を控える2人の教育にかかる支出が増えていて、不安を募らせている。子育て中のがん患者や医師などで作る団体が、がん患者を対象に行ったアンケート調査では、上限額が引き上げられた場合の治療への影響について尋ねたところ「回数を減らす」が約6割となったほか、育児への影響についても塾や習い事を減らすが約6割などとなっている。
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