高額療養費制度について石破茂総理大臣は、8月の負担上限額の引き上げを見送ったうえで秋までに改めて方針を決定すると表明した。突然の方針転換に与野党から批判の声。医療費が高額になった患者の医療費負担を抑える高額療養費制度。負担上限額の引き上げについて、政府はこれまで来年8月以降は再検討するものの、今年8月からの引き上げは行う方針を示していた。しかし昨日、事態は一転。今年8月の引き上げについても見合わせると表明した。きのう行われた参議院予算委員会で、立憲民主党の杉尾秀哉参院議員が「政府与党の中で“見直すしかない、参議院選挙を戦えない”という声が湧いてきたから見直さざるをえないということではないか」とただし、石破総理は「選挙目当てとかそういうことではない」と述べた。その後当事者である、がんや難病の患者団体と面談した石破総理。患者団体が渡したのは患者や家族のアンケートと13万筆以上の反対署名。会談後、石破総理は負担上限額の引き上げ見送りを表明した。石破総理は「検討プロセスに丁寧さを欠いたとの指摘をもらっていることを政府として重く受け止めねばならない」と述べた。全国がん患者団体連合会の天野慎介理事長のコメント。引き上げの全面凍結を求め続けてきた立憲民主党の野田佳彦代表は「市場の当事者の患者団体の声を聴かないで決めてしまったし、上げ幅が相当急激すぎ。みんなで戦ってきた成果だと思う」と述べた。国民民主党の玉木代表はSNSで「決断が遅いしブレまくり。見送るなら衆議院での予算審議をやり直せ。石破内閣は国会をなめている」と痛烈に批判。高額療養費制度について参議院で審議入りした直後の方針転換。自民党のベテラン議員「党内からの反発の声があって立っていられなくなったってことだろう」、中堅議員は「衆議院を通すためには野党の案をのむしかない。参議院に送ったら“選挙前にやらないでくれ”と身内が抵抗勢力になる。これが少数与党なんだろう」。
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