きのうはことしの春闘の集中回答日だった。大手企業からは満額回答が相次いだほか、要求以上の回答を得た企業もあった。自動車や電気メーカーなどの労働組合が集まる金属労協は、平均賃上げ額が統計開始以降、過去最高の1万5450円になったと発表。きのう行わ割れたトヨタ労使協議会でトヨタ自動車・佐藤恒治社長は「本年の賃金、賞与は組合の要求通りといたします」とコメント。自動車大手ではトヨタ自動車が賃上げと一時金ともに6年連続の満額回答で、最大月2万1580円。先週、今年度と来年度以降の損失が最大で2兆5000億円にのぼる可能性があると発表していたホンダも、1万8500円の要求に対し満額回答。スズキも月1万9000円の要求に対し2万500円と、要求以上の回答を出した。第一生命経済研究所・熊野英生首席エコノミストは「やはり春闘で高い賃上げ率を示すというのが人材獲得において有利になると考えて、労働組合への要求額以上の金額を回答している可能性はある」とコメントした。三菱重工など大手重工3社はベースアップがそろって月に1万6000円と、4年連続で満額回答となった。熊野氏は「今後、“防衛費の拡大”が見込まれるとかプラス効果のほうが大きいので積極的な賃上げを決めたのかもしれない」などとコメントした。春闘の賃上げ率はかつて1%台から2%台を推移していたが、おととには33年ぶりに5%台となり、去年の5.25%と高い水準が続いている。慎重だったのは鉄鋼業界。1万5000円の要求を受けた大手3社のうち日本製鉄が1万円、神戸製鉄所が1万3000円など、下回る回答が相次いだ。一方で課題とされているのが大手と中小の格差。中小零細企業の労働組合が多く加盟する全労連はことし高水準で賃上げ交渉がスタートしたと発表したが、全労連・黒澤幸一事務局長は「大手の大企業の水準には遠く及ばないという状況ですし、経営者側は“賃上げの疲れ”といった言い訳が多く聞かれます」とコメントした。春闘で最も厳しい状況といわれているのが医療や介護の分野。病院や診療所などを運営する法人の労働組合は5万円以上のベースアップなどを要求したが、ベースアップはゼロで、平均5149円の定期昇給のみだった。汐田総合病院急性期病棟・金田亜美師長は「正直新卒で入る大手の人たちよりも低い賃金でケアする人たちが働いているという現状」、佐藤真琴専務理事は「今年度、今1月までで(法人全体で)1億9000万円の赤字。人件費、材料費、経費、様々なものがすべて上がっている。見合った診療報酬や介護報酬になっていないのが一番の要因。いろんな努力をしてきているがそれも限界」と話した。
