自民党総裁選において過去、結果に大きく影響を及ぼしたのが地方票。現在の仕組みは1回目の投票で過半数を獲得した候補が新しい総裁になるが、1回目で誰も過半数に達しなければ上位2候補による決選投票が行われる。史上最多9人が立候補したことから決選投票にもつれる可能性が高く、全国におよそ105万人いる党員、党友らの投票に基づいて割り振られる地方票367票の行方が大きな鍵となっている。派閥なき総裁選、その影響は党員にも広がっている。埼玉県川口市で金属加工会社を経営する石川義明さん、先代の父親の時代から自民党を支え党員歴は20年以上。党員が投票を戸惑うという理由が裏金問題に端を発した派閥の解消。かつては派閥が党員票に大きく影響していた。川口市を地盤とする新藤義孝経済再生相は安倍政権発足当時、平成研究会(旧茂木派)に所属していた。派閥の方針で川口市の党員票は安倍元総理に流れたという。全国で100万人以上に上る自民党員、専業主婦から会社経営者まで幅広く、入党すると党員証が手渡され、自民党を陰で支えている。年会費4000円を支払い政党の構成員となることで総裁選挙に一票を投じることができる。自民党党員の1人、千葉県八千代市の歯科医師・粟飯原靖司さんは党員歴は10年、今回の総裁を選ぶにあたって重要視するのは誰が自民党を刷新できるかだと話す。総裁候補が過去最多の9人とあってなかなか絞りきれない様子。候補者にとっては自分たちの政策をアピールしてどれだけ支持を広げられるかが党員票獲得の鍵となる。