カナダのコンビニ大手クシュタールがセブン&アイ・ホールディングスへの買収提案について、セブン側に誠意が感じられず建設的な協議に応じる姿勢がないと批判し、撤回することを発表。去年から続く買収を巡る攻防は一旦幕引きとなった。クシュタールが声明で明らかにしたのは7兆円規模の買収提案の撤回。この発表を受け、セブン&アイ・ホールディングスの株はきのう売り買いが一時停止となった。午前10時すぎに再開されると売りが先行し、終値は前日と比べマイナス9.6%の202円安となった。セブン&アイ・ホールディングスは「クシュタール社の決定については不本意であり、数多くの誤った記述について賛同しかねるものの想定され得たものとして受け止めております」などとしている。今後は単独で企業価値を向上させる方針。セブン&アイ・ホールディングスはアメリカでの店舗数が1位の自分たちと2位のクシュタールが統合することは独占禁止法上の懸念があるとして、2000以上のクシュタールの店舗売却などの案を提示していた。買収計画撤回について、桃山学院大学の教授はクシュタールは環境が整うのを待っているだけと指摘。今後別の企業を買収することでセブン&アイを追い上げながら機会を伺うとみている。