バイデン大統領とトランプ前大統領、次期大統領の座を争う2人は今全く対照的な状況に置かれている。共和党のトランプ氏は、党大会で指名受諾演説を行う。トランプ氏は13日の銃撃事件を受けて演説の内容をバイデン政権の政策を批判するものから団結を強調するものに書き換えたことを明らかにしている。トランプ氏は銃撃を受けた直後右耳から血を流しながら何度も拳を突き上げ強いリーダー像を示した。その姿を星条旗とともに捉えた写真はTシャツなどにプリントされ支持者に人気を博している。トランプ氏と指名争いを繰り広げ痛烈に批判してきたヘイリー元国連大使の参加が急きょ決まり、演説するなど共和党の主要メンバーがトランプ氏への支持を次々に訴えた。一部にトランプ氏と距離を置く共和党員がいる中、トランプ氏は銃撃事件を機に党を結束させさらには、党内の穏健派や無党派層も取り込もうとしている。トランプ氏と対照的なのがバイデン大統領。民主党を結束させるどころか、かつてなく孤立を深めている。精彩を欠いたテレビ討論会をきっかけに、民主党の重鎮らからも選挙戦からの撤退圧力が強まる中、新型コロナウイルスの検査で陽性が確認され自主隔離に追い込まれている。さらに、ここへきてオバマ元大統領についても撤退圧力に関する報道が出た。ワシントン・ポストは18日、複数の関係者の話としてオバマ元大統領がこの数日間に周囲に対し「バイデン大統領が勝てる可能性は極めて低くなり選挙戦を続けることについて本人は真剣に検討する必要がある」と伝えていたと報道した。オバマ氏は2期8年にわたって副大統領としてのバイデン氏とともに政権を担い、数々の苦楽をともにした盟友でバイデン氏の意思決定に影響を与える数少ない1人とされている。さらに、ワシントン・ポストはペロシ元下院議長が、バイデン大統領が近く説得に応じて撤退を決断する可能性があるという見方を示したと伝えた。両者の支持率はトランプ氏がリードを広げ差は3ポイント。大統領選挙では勝利した候補者が州に割り当てられた選挙人を全て獲得する勝者総取り方式をとっていることから激戦州の行方が気になる。7州では全てトランプ氏がリードしている。さらに連邦議会選挙でも上下両院で民主党が多数派を失う可能性が指摘されている。