きのう兵庫県知事選挙の投開票が行われた。今回の県知事選は過去最多の7人が出馬し、斎藤元彦氏が稲村和美氏に13万票以上の差をつけて再選を果たした。投票率は55.65%で、前回の知事選と比べ14.55ポイント上昇した。斎藤氏はことし9月、県議会の不信任決議により失職。斎藤氏の県政への評価や告発文書問題への対応の是非が主な争点となった。斎藤氏は選挙戦で知事としての実績などをアピールしたが、SNS戦略が功を奏したとみられている。読売新聞が行った出口調査では、投票の際に最も参考にした情報として「SNSや動画の投稿サイト」を挙げた人のうち、9割弱が斎藤氏を支持していたことも分かっている。斎藤氏の「X」のフォロワー数は失職する直前は約7万5000だったが、きょうは約21万9000。ネットメディアに詳しい国際大学の山口真一准教授は「SNSでは何かと戦うという姿が拡散しやすいため、県議会や政党と戦うイメージがSNSで大いに拡散されたのでは」と分析する。また東京大学大学院・鳥海不二夫教授は、SNSの効果として「単純接触効果」があり、「ネット上に大量に上がり始めた斎藤氏の動画を一度見ると次から次へと関連動画を勧められ、どんどん効果が大きくなっていったのでは」と分析している。ただ兵庫県の県政自体は課題は山積みで、斎藤氏のパワハラ疑惑などを調査する兵庫県議会の百条委員会は続行中。また今後は県の来年度予算案の審議などで県議会との対立が長引けば、県民の生活に直結する審議にも影響が及ぶ可能性もある。