売り手と買い手を結ぶブローカーに「寺を売らないか」と声をかけられたことがあるという寺の住職。宗教法人を売る側にはどのような理由があるのか。後継者問題や檀家の減少などが原因で寺を手放さざるを得ない人も多いという。一方、買い手には経営が難しくなった宗教法人を立て直し、引き継いでいきたいという意欲がある人などがいるという。ただ、問題なのは宗教法人を悪用しようとする不届き者がいること。文化庁のホームページには宗教法人売買に対する注意喚起が掲載されている。売買を仲介する男性は「宗教法人を悪用するような買い手に一切売ったことはない」と話す。脱税以外にも目的があるという。ビジネス目的として宗教法人を買いたい理由は何なのか。住職は宗教法人の肩書だけを使用した“偽僧侶ビジネス”が存在していると指摘する。こうした事態を国も問題視している。きのう、活動実態のない宗教法人の不正利用防止を議論する文化庁の2回目の検討会議が開かれた。宗教法人の売買自体は違法ではないが、文化庁は原則認めていない。文化庁によると、昨年末の時点で、活動実態のない宗教法人は5286件確認されたという。文化庁は都道府県や警察などとの情報共有を強化していく方針で、年内をめどに宗教法人の不正利用を判断するための基準を示すガイドラインを策定するとしている。
