ことしの春闘は労使ともに賃上げの気運が高まっている。連合は5%以上の賃上げを要求している。大手企業では既に賃上げの方針を表明している動きも相次いでいる。課題は中小企業で賃上げが広がるか。労働分配率は大企業が52.4%なのに対し、中小企業は78.8%となっていて、賃上げへの持続的な余力が小さいといわれている。中小企業が賃上げするには商品の値上げで元手を確保することが重要。中小企業の価格転嫁の状況について、転嫁率は45.7%となっていて5社に1社が「全く転嫁できず、減額」と回答している。国が作成した指針では「定期的に協議の場を設ける」「要請があれば協議のテーブルにつく」などが定められている。また共通の書式例を示し、労務費などの上昇分を記入して客観的な資料にしやすいようにしている。この指針に従わない企業は行政指導を行うことも検討している。春闘は来月に大手企業の集中回答日を迎える。井村丈思「持続的な賃上げが中小企業を含めて実現できるかが焦点となります」と話した。