北上山地に囲まれた石巻市の旧河北町では、古くから山の湧き水を使ってせりを栽培している。これは河北せりと呼ばれ、せり鍋や正月の雑煮にも使われるため、年末のこの時期は出荷の最盛期を迎える。高橋正夫さんの田んぼでは厳しい冷え込みの中、腰まで水に浸かりながら40cm程に迫ったせりを抜き取っていた。収穫したせりは作業場で形や長さを揃え、根に付いた泥を丁寧に水で洗って落としていた。河北せりは茎が長くシャキシャキとした歯切れのいい食感が特徴。JAいしのまきによると、せりは来年2月頃まで収穫され、例年と同じ約47トンの出荷を目指す。