トラックドライバーの時間外労働の規制強化によって輸送量の減少に繋がることが懸念される「2024年問題」をめぐっては、九州でも様々な対応が取られている。佐賀・鹿島市からはみかんが毎日100t前後出荷されていて、6割は関東へと運ばれるとともに殆どはトラックを利用している。東京まで約1200kmという距離を5日掛けて往復している運転手の姿も見られるが、その一方で作業効率化に向けたアイデアも見られる。従来は運転手が手作業で農作物を積み込んでいたが、これを農協側が積み込むルールに変更していき、積み下ろしにかかる時間は半分以下に短縮できるようになり運転手もこれを歓迎していた。北九州市中央卸売市場ではトラックの長距離輸送をフェリーに切り替える対応も取られていて、大型冷蔵庫に野菜や果物を貯めてから新門司港と横須賀港を中継するシステムも作られた。現在は95%以上の物流がトラックによるものとなっているが、今後は新門司港と産地を往復するだけになることでドライバーの負担を減らすことが期待できる。トラックを船舶や鉄道に置き換えるモーダルシフト戦略については、政府も10年程度で倍増させる方針となっている。
住所: 福岡県北九州市小倉北区西港町94-9