マイナンバーカードと健康保険証が一体化したマイナ保険証の利用を促進するため政府はきょうから保険証の新規発行を停止した。各地の医療機関ではマイナ保険証を基本とする仕組みで窓口の対応が行われている。都内のクリニックではマイナ保険証を初めて使う患者に職員が使い方を教えていた。今後、マイナ保険証の手続きをしていない人の受診はどうなるのだろうか。医療機関での保険診療の受け付けは主に次の3つの方法で行われることになる。1つはマイナ保険証。健康保険証の利用登録をしたマイナンバーカードを使い、利用登録は医療機関の窓口やセブン銀行のATM、オンライン上のマイナポータルで行うことができる。2つ目はこれまでの健康保険証。最長で来年の12月1日まで使用できる。ただし国民健康保険や後期高齢者医療制度の保険証は有効期限が来年夏ごろなどに設定されていてそれまでの間、使用できる。そして3つ目は資格確認書というカード。これは健康保険証がなくマイナ保険証の利用登録もしていない人などに申請なしで交付されるものでマイナ保険証の代わりとなる。マイナ保険証を巡ってはことし10月の時点でマイナンバーカードを持っている人の82%が利用登録を済ませている一方、利用率は15%余りにとどまっている。背景には別人の個人情報がひも付けられるミスが過去に相次いたことなどがあると見られる。厚生労働省はマイナ保険証への切り替えでデジタル化が進み医療の質の向上につながるとしているが情報漏えいや紛失リスクへの不安をどう払拭するのかが課題となっている。