アメリカ・バンス副大統領はウクライナ・ゼレンスキー大統領と会談するがウクライナ側が停戦交渉に疎外感を訴える中、どう会談に臨むのか。アメリカ・トランプ政権がロシア寄りではないかというウクライナやヨーロッパ側の強い懸念を多少なりとも意識して会談に臨むと見られる。バンス副大統領は事前のメディアのインタビューに対しロシアが和平交渉に応じない場合はロシアへの制裁の強化など厳しい姿勢も示した。ただトランプ政権が重視するのはアメリカ第1主義に基づく実利。トランプ大統領、ウクライナに豊富にあるとされるレアアースの権益に強い関心を示していてバンス副大統領とゼレンスキー大統領との会談ではウクライナの天然資源や投資の話も行うとしている。ウクライナへの軍事支援を継続するならば、その見返りとしてアメリカの利益も要求しながら意見を交わすものと見られる。アメリカ側は停戦に向けた交渉をどのようにまとめようとしているのか。トランプ大統領は今回の会議の直前、ロシアに対してプーチン大統領と電話での直接交渉を行い事態を一気に動かそうとしている。しかしウクライナ側が掲げてきた占領された領土奪還などについてアメリカの元ウクライナ大使もトランプ大統領がどこまでロシアに要求できるのかは疑問だと指摘。トランプ政権はウクライナのNATO加盟に否定的な立場を明確にするなどウクライナの安全を誰が守っていくのか、議論は進んでいない。ロシア、ウクライナ双方が折り合う青写真を描くことは難しく戦闘の終結に向けた道のりが険しいのは間違いない。
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