鹿児島県は農業が基幹産業であることで知られているが、沖永良部島では作物の産地ごとに繁忙期が違うことを活かした取り組みが行われている。マンゴーの生産が盛んであり、じゃがいもは収穫時期が異なる様子が見られる。農業従事者は10年で2割あまり減少し、シルバー人材センターでは約10人まで人手が不足してしまっている。全国の産地と連携した人材確保の試みも行われていて、農作業が忙しくなるのは沖永良部島は冬場となるのに対し、夏は北海道・秋は京都など産地間で異なる繁忙期を共有して農業従事者を増やそうとしている。えらぶ島づくり事業協同組合の金城真幸さんは農家が自分たちで求人募集を出すのはハードルが高いが、支援団体が仲介することで繋いでいくと話していた。人手が足りない農家の情報を団体が収集して求人サイトに登録し、繁忙期を過ぎた働き手を面接などを行ったうえで派遣するものとなっている。団体が滞在期間の宿泊先や移動手段をサポートするのも特徴で、昨年は40人以上が雇われ約10か所に派遣が行われた。国の事業を活用することで移動費も約10万円まで補助されるという。一方で北海道から移動すれば約7万円のコストがかかる事も課題となる。一方で派遣を受けた女性は元々2週間程度滞在する予定だったところを1か月まで延長するなど好影響も見られる。