子どもに接する仕事に就く人に性犯罪歴がないか確認する制度、日本版DBSを導入するための法律が成立した。被害に遭った人や専門家からは期待とともに不安や課題を指摘する声も聞かれる。法律の成立を受けて日本版DBSの導入を求めてきた団体などが会見した。子どもに接する仕事に就く人に性犯罪歴がないかを事業者がこども家庭庁を通じて法務省に照会できるようにするとしている。不同意性交罪や児童ポルノ禁止法違反など犯罪歴の確認対象となる罪を特定性犯罪として明示し照会が可能な期間は禁錮刑以上の場合は刑の終了後20年、罰金刑は10年とするなどとしている。また照会の対象となる性犯罪歴には痴漢や盗撮などの条例違反も加えすでに雇っている人も対象者に含めるとしている。政府は法律の公布後2年ほどの間に制度の運用を始めることを目指し事業者向けのガイドラインを策定して環境整備を急ぐ方針。中学生のときに教員から性被害を受けた女性は制度に期待していると話す一方で不安の声を上げる人もいる。性加害をした教員は学校を辞めたあと学習塾を開業した。日本版DBS制度で学習塾は義務ではなく任意のためこの塾が制度の認定を受けなかった場合、女性は不安を拭いきれない。子どもの性被害対策に詳しい奈良大学の今井由樹子准教授は法律の成立が性暴力を社会全体の問題と捉えるきっかけになってほしいと話し、研修・相談した人への措置をしなければいけないと書いてあるがこれが実行的な内容になってくるのかが課題だと指摘した。