大きな堀に囲まれた漆黒の城・松本城。天守の高さは25m。中は6階建てになっている。松本城の天守は複数の建物が連なっており、現存する唯一の「連結複合式」。5つの建物が織りなす絶妙な均衡美が高く評価され1952年に国宝へ指定された。大天守や小天守には狭間と呼ばれる小窓などが126あり、そこから鉄砲で敵を撃っていたと思われることから戦闘に特化した城だと判断できるという。しかし隣接する月見櫓には狭間は一切なし。年輪年代法を用いて城の木材を調査したところ、大天守が造られたのは1596年だったのに対し月見櫓が造られたのは1626年であることが発覚した。月見櫓は戦のない平和な時代になってから月見を楽しむために造られた場所。松本城は戦闘的な部分と平和な部分が見事に融合した絶妙な調和が美しい城になっている。松本城の外観は漆黒の漆で塗られており、漆の城は現存では他に存在しない。漆は水に強いだけでなく城攻めで火矢が使われたなどにも効果を発揮。漆には着火時間を少し遅らせる効果があり、火にも水にも強い素材で城を守るための塗装だったと考えられる。
