半割れケースのGDPの落ち込みを試算したグラフでは、西の半割れだけのケースの場合は1年ほどで回復。しかし回復途上で次の地震が襲うとダメージは大きくなり経済は回復しないまま停滞するとみられている。兵庫県立大学の井上教授はサプライチェーンに注目し、国が想定する半割れケースの地震が起きた時の企業への影響を計算した。西の半割れで企業の生産額がどれほど減少するか予測した結果、地震直後に生産額の減少が西日本に集中し1週間でサプライチェーンでつながる首都権の企業にも拡大、20日後には全国に広がった。西の半割れの半年後に東の半割れが発生したとするシミュレーションでは、1日あたりの生産額は地震前の半分に落ち込み1年経っても元の水準には回復しなかった。年間のGDP減少額は東日本大震災の10倍となる134兆円。東淀川区にある町工場では災害時に供給を止めない仕組みを作ろうと大阪府内の同業者と話し合い、工場の機械が使えなくなった時にお互いが代替先となれる関係を作っていくことになった。さらに遠隔地にも代替先を確保しようとしている。代替先を増やしたシミュレーションでは地震後の沈み込みが少なくその後回復していくことがわかり、GDP減少額は1/4に抑えられる結果となった。