- 出演者
- 中原丈雄 松尾諭 高瀬耕造 高野志穂 林田理沙 仁村紗和 中須翔真
オープニング映像。
南海トラフでは陸側のプレートが海側のプレートに押され続け歪みを蓄積させている。約100年~150年間隔で繰り返し巨大地震を引き起こしてきた。南海トラフ巨大地震が今後30年以内に発生する確立は70~80%。国の想定では最悪の場合、激しい揺れや大津波で被害をうけるのは30都府県、死者は最大32万3000人。南海トラフの半分だけがずれ動く半割れが起きると、隣接するエリアで再び巨大地震が起きる可能性が高まる。番組では命と暮らしを守る方法を探る。
半割れケースでは割れ残った場所で巨大地震が連動して発生する可能性が高まる。東の半割れが発生した場合、死者は最悪の場合8万4000人にのぼる。建物に致命的なダメージを与えることもわかった。鉄骨造25Fの超高層ビルのモデルを紹介。シミュレーションでは西の半割れで鉄骨が揺れによって変形する場所ができていた。対策を取らないまま次の地震に襲われると鉄骨がちぎれて使用できなくなるおそれがある。
ドラマのシナリオを監修した福和氏がスタジオで「南海トラフは阪神・淡路大震災と東日本大震災の2つを足したような地震」「東京の超高層ビルはものすごく揺れる」などと解説した。長周期地震動は2月から緊急地震速報の速報対象にも加わった。福和氏は揺れへの備えとして建物の耐震化、家具がない部屋を作るなどを挙げた。昭和では先に1944年東南海地震が起き2年後に南海地震が起きた。その前は幕末で1854年の東海地震の32時間後に南海地震が起きた。福和氏はみんな東が先だと思い込んでるが西が先の場合もあると話した。
国の想定をもとに作成した西の半割れの津波シミュレーションでは、早いところで3分で津波が到達した。特に高くなる高知県では黒潮町で最大26メートル。東の半割れでは千葉から宮崎までの77市町村が3メートルを超える2度目の大津波に襲われる。黒潮町では犠牲者ゼロを目指し高齢者や障がい者などの支援に力を入れている。民生委員が家を回り高齢者い玄関先まで避難してもらう取り組みを始めた。夜の地震を想定した避難訓練も行っている。
大阪では中心部の梅田周辺に最大2メートルが来ることが想定されている。大阪市内の浸水想定エリアにはピーク時145万人が滞在。市外から来た人が約3割を占め、避難場所を知らない人も多い。梅田の駅周辺では災害時の避難場所を意識してもらうための働きかけを行っている。新御堂筋より東側に36か所ある津波の際の一時避難場所にたどり着けるよう、店員が率先して避難場所に向かうことで大勢の人を誘導することを狙いとして地下街のすべての店舗では避難誘導に使う黄色い旗を保管している。
福和氏は「昔から東北の三陸沿岸では津波てんでんこと言う」「みんな逃げてることを信じててんでんばらばらに逃げるという、これは鉄則」「普段から高いところに逃げるだということをちゃんと親子で確認することが大事」などと話した。全国ハザードマップでは、津波のボタンを押すと地域ごとの地震想定をもとに推定した津波の最大の高さを確認できる。南海トラフのボタンを押すと半割れケースの想定を確認できる。ネットで南海トラフ地震について知りたいことを募集したところ「被害想定」が35%、「対策」が28%などとなった。福和氏は「過去の南海トラフの地震のときは前後に内陸、あるいは日本海側で活断層がずれ動くような地震が頻発している」「南海トラフ地震の前後は日本海側の人も含めて要注意」などと話した。
南海トラフ地震臨時情報は南海トラフ沿いでマグニチュード8.0以上の地震が発生した時に気象庁が発表する。次の巨大地震の可能性が普段よりも高まっていることを知らせる。29都府県約6000万人が対象となる。リスクが特に高い地域では避難指示が出され1週間の事前避難が求められる。臨時情報が出されると南海トラフ沿いの10件の緊急消防援助隊は次の備えるため地元の活動に特化し1週間の県外の支援ができなくなる。一方被災地への救援が期待されている部隊も後発地震による被害を考慮し出動をためらう実態がアンケートから見えてきた。アンケートでは72時間以内に被災地へ到達できる見込みの部隊数は2781隊と45%にとどまった。震災関連死は東日本大震災では3789人にのぼっているが、南海トラフでは7万6300人という試算もある。高知の近森病院では津波から患者の安全を確保する訓練を実施している。さらに電子カルテを印刷して浸水しない場所に保管する仕組みを整備した。1週間以上支援がなくても医療が継続できる体制を目指している。今は災害医療に携わる心構えを地域全体で共有することに取り組んでいる。
福和氏は「臨時情報の1週間の事前避難は避難の限度ということで決まった」「1週間がたったあとも警戒して過ごしてもらいたい」「臨時情報はどんなことが起きるのかをあらゆる人に想像してもらう力を育てるために作られた」などと話した。防災に防災を取り入れる「フェーズフリー」の考え方は様々な企業に広がろうとしており、フェーズフリーのグッズも登場している。福和氏は「災害がある国だからこそ思いつくアイデアがある」「日本でしか生まれないビジネスかもしれない」などと話した。
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半割れケースのGDPの落ち込みを試算したグラフでは、西の半割れだけのケースの場合は1年ほどで回復。しかし回復途上で次の地震が襲うとダメージは大きくなり経済は回復しないまま停滞するとみられている。兵庫県立大学の井上教授はサプライチェーンに注目し、国が想定する半割れケースの地震が起きた時の企業への影響を計算した。西の半割れで企業の生産額がどれほど減少するか予測した結果、地震直後に生産額の減少が西日本に集中し1週間でサプライチェーンでつながる首都権の企業にも拡大、20日後には全国に広がった。西の半割れの半年後に東の半割れが発生したとするシミュレーションでは、1日あたりの生産額は地震前の半分に落ち込み1年経っても元の水準には回復しなかった。年間のGDP減少額は東日本大震災の10倍となる134兆円。東淀川区にある町工場では災害時に供給を止めない仕組みを作ろうと大阪府内の同業者と話し合い、工場の機械が使えなくなった時にお互いが代替先となれる関係を作っていくことになった。さらに遠隔地にも代替先を確保しようとしている。代替先を増やしたシミュレーションでは地震後の沈み込みが少なくその後回復していくことがわかり、GDP減少額は1/4に抑えられる結果となった。
前回までのドラマのあらすじを紹介した。
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