1966年、英国から独立したボツワナは牧畜が基幹産業で世界最貧国の1つだったが、翌67年にダイヤモンドが発見され、状況が一変する。ロイター通信によると現在、金額ベースでは世界最大の生産国だといい、ダイヤモンド産業がGDPのおよそ2割、政府歳入のおよそ3割を占め、30年間の経済成長率は平均およそ9%と世界的にも有数の経済成長を遂げている。それでもダイヤモンドの恩恵を全て受け取れているわけではない。海外メディアによるとボツワナで生産されるダイヤモンドの90%以上をボツワナ政府と南アフリカ発祥で英国に本社を置くダイヤモンドの採掘、加工、流通の巨大企業デビアスによる合弁会社デブスワナが占めている。デブスワナの株式所有率は同等であるにもかかわらず採掘したダイヤモンドの原石の販売権利はボツワナ政府が10%、デビアスが90%、更に加工や加工品の販売の権利はデビアスのみに許されていた。この状況を変えようとしているのがマシシ大統領。2018年に就任したマシシ大統領は、協定の更新が行われた2002年にボツワナ政府のダイヤモンド販売権利を25%にまで引き上げた。さらに去年の更新では販売権利を30%に引き上げたうえに、2033年までに50%にまで引き上げる協定を結んだ。そんなボツワナだが、近年は“資源の呪い”を回避するため、ダイヤモンド依存型経済からの脱却を目指しており、アフリカメディアによるとボツワナは回避に成功しているという。その要因は、ダイヤで得られた資金で経済の多角化、雇用創出、地域インフラ整備などを進めていることにあるという。