6年ぶりの日本一に輝いた横浜DeNAベイスターズ。その長い逆転劇の裏には驚きのビジネス戦略があった。そう話すのは現在、南場オーナーの下球団トップを務める萩原氏。球団買収時順位、年間入場者数ともにリーグ最下位という状況の中、驚きの仮説を基に改革に乗り出した。着手したのはとにかくスタジアムに客を入れること。当時、実際に作られた資料によると、ターゲットとすべきはアクティブサラリーマンと設定。勝敗に限らず野球場の雰囲気が好きでお酒を4、5杯飲むなど詳細に分析し、この人物から家族へと広げ一緒に足を運んでもらおうという。そこで実行したのはビールの半額、ハマスタで動物園をやるなど、数々の奇抜な作戦だった。さらにチームの舞台裏を記録したドキュメンタリー映画まで作成。こうしたファン目線の改革が実を結び、2011年は年間約110万人だった入場者数は今季、約236万人に倍増し過去最多を記録した。一方、毎年、入団が決まった選手を本社に招き、オーナーとの名刺交換や講義などを行った。プロとして見られる立場になったことを伝えるのだという。こうして、ついに南場氏率いる横浜DeNAベイスターズは26年ぶりの栄光をつかんだ。