千葉県南房総市のびわ農家を取材した。びわの実は傷つきやすいため黒い紙でひとつずつ包まれていた。おととしの「房総半島台風」ではびわ農家の多くが打撃を受け、生産者の半分が廃業したという。木の高いところになる実は木登りをして収穫するといい、軽々と木に登る77歳のご主人に驚かされた。山の斜面にはびわの実を運ぶためのモノレールが敷かれている。1回で10かご70キロを運び、最盛期には1日8往復。収穫は親戚や知人総出で行い、東京に住む息子は有給休暇をとって手伝いに来ていた。びわの等級は実に傷がないものが「秀」として大きさを合わせて箱詰め、傷があるものは「優」として加工用に回される。自宅は築70年、同い年の奥さんと2人暮らし。ご飯は奥さんが作ってくれるという。