熊本では大規模火災は発生していないが、1つの火災がだんだん広がっていく恐ろしさが伝わってくる。懸念される南海トラフ巨大地震だが、どのような火災の被害が想定されているのか。去年3月に発表された国の被害想定によると、最悪の場合、火災による全国の死者数は約2万1000人、消失する建物の数は約76万8000棟とされている。国や各地の自治体が推奨している対策が、「感震ブレーカー」の設置。感震ブレーカーは地震の強い揺れを感知すると、自動でブレーカーを落とす装置で、停電の後、電気が復旧した際に、倒れた電気器具や切れた配線などから出火する「電気火災」を防ぐ効果が期待されている。内閣府が3年前の令和5年に行ったアンケートでは、「自宅に感震ブレーカーを設置している」と答えた人は回答者の約8.5%にとどまっていて、認知度の低さが課題となっている。国の被害想定では、感震ブレーカーの設置率100%の場合、火災による死者数は半数以上減らせると推計していて、今後、設置率を上げるための対策が求められる。80年前の昭和南海地震の教訓を学び、1人1人が火災を起こさないための備えを進めてほしい。
