緊急輸送道路は大地震などの災害直後に救助や物資供給などのため緊急車両が通る重要な道路で、阪神淡路大震災をきっかけに設けられた。耐震化を進めるに当たって国は管理者に第一段階としてすべての橋で橋が失われるような甚大な被害を防ぐための公示を済ませたうえで、さらに第二段階として損傷を警備にとどめるため追加の補強工事を行うよう求めている。しかし会計検査院が令和4年度までの2年間に工事が行われた260の橋を抽出調査したところ、154の橋で最優先すべき工事を後回しにして緊急度の低い工事を行ったりう回路ある橋を先に補強したりするなど進め方に問題があったことが分かった。国土交通省は工事の関係者が多く調整に時間がかかる場合に、早期に手を付けられる橋の補強工事を先に進めた自治体が多いと考えられるとしている。全国の緊急輸送道路の橋約1万2000か所で耐震補強が終わっておらず、元日に発し制した能登半島地震でも緊急輸送道路が寸断され救助活動などに支障が出たことなどから、会計検査院は国土交通省に工事の進め方を改善するよう求めた。