日銀が今日発表した短観について。景気は回復傾向にはあるものの、大企業では横ばい、中小企業は1ポイントの改善で足踏み感がある。背景にあるのは物価高への対応。水戸市であられなどを製造・販売している従業員約20人の会社。原材料のもち米は1キロあたり去年の同時期の1.5倍ちかくまで上昇したという。また、今日から最低賃金が引き上げられるのにあわせて先月からパートの約10人の時給を引き上げた。コスト上昇に伴い、商品の値上げを検討するも、踏み切れていない。飲食などの非製造業も物価高対策に追われている。福岡市のラーメン店の看板商品であるトマトラーメンは1杯680円。創業当時の価格を維持してきたが、物価高の逆風は強まるばかりだという。そこで取り組んでいるのがコスト削減。フードロスをなくすため、麺はパック詰めにし、チャーシューなどは冷凍保存。対策の有無で7店舗で月に200~300万円ほど経費が異なるという。一方、サービスの値上げに踏み切るところもある。全国に500店舗あまりを展開する体をもみほぐすサービスを提供する会社では今日からサービスの価格を平均4.5%値上げ。セラピストへの報酬引き上げなどに対応するため。値上げはサービス開始の1999年以来初めて。