マイナ保険証への切り替えを進める背景として、厚生労働省はデジタル化が進み、医療の質の向上につながるとしている。具体的には患者本人の同意があれば、特定健診や過去に処方された薬の情報を医療機関どうしがオンラインで共有することができる。初めてかかる医療機関でも、薬の飲み合わせなどを正しく判断でき、的確でスムーズな診療が可能になるとしている。ただ医療情報は現在共有されるまで1か月程度かかることもあるため、厚生労働省も現時点ではお薬手帳は引き続き必要となるとしている。マイナ保険証を巡っては、他人の保険証の情報が登録されるなど、さまざまなトラブルがあり、政府関係者からも、短期間で移行を急ぎすぎたという声が聞かれる。政府には、メリットや必要な手続きも含め、丁寧で分かりやすい情報発信が求められる。