訪問介護は経営が厳しい事業者もあり、きょう厚生労働省は新たな支援案を提示した。横浜市神奈川区に住む前田勝江さん(85)は訪問介護サービスを利用している。子供たちは近所に住んでいるが、仕事で日中に介護をすることは難しく、住み慣れた自宅で暮らすために訪問介護が欠かせないという。週に3回ホームヘルパーが訪れ、食事・掃除・洗濯・入浴介助などを行う。高齢者にとっても家族にとっても欠かせない訪問介護の利用者は今年113万2,300人となり、介護保険制度が始まった翌年の2001年に比べて2.6倍となった。きょう厚生労働省は専門家による審議会を開催し、中山間地域などでの訪問介護への支援を打ち出した。背景の一つがヘルパーの移動時間。9割以上が中山間地域の高知県ではヘルパーの移動に片道40~50分かかるという。介護報酬はサービスを提供した人数や時間などに応じて支払われるが、現在の仕組みではヘルパーの移動コストが反映されず、報酬が見合っていないという。高知県と市町村は移動時間に応じて段階的に補助する独自の支援を行っているが、それでも採算が取れなかったり、ホームヘルパーが確保できず、サービスの提供を断念する事業所もあるという。厚生労働省が示した案では、移動にかかるコストを介護報酬加算で評価し、要介護度などに応じ定額制の「包括報酬」を選択可能とした。今後具体的な内容を決定することにしている。訪問介護の需要が急増する都市部では別の課題に直面している。取材した事業所ではヘルパー1人が1日に7件対応することもあり、依頼に対して人手が不足しているという。
